日本大学藝術学部剛柔流空手道部OB会TOPIX > 三宅由佳莉 20160421 読売新聞

音楽、ダンス 創作の日々 / 読売新聞 2016年4月21日(木)12版(くらし教育)より

■ 海上自衛隊東京音楽隊員 三宅由佳莉さん

みやけ・ゆかり 1986年岡山県生まれ。日本大学芸術学部卒。海上自衛隊が初めて応募した声楽枠に合格し2009年入隊。東京音楽隊のボーカリストとして各地のコンサートなどに出演。今年3月に同音楽隊のCD「輝け!ブラバン・ヒーローズ」を発売。歌が大好きな祖母と童謡などを口ずさんでいるうちに、私も歌が好きになって、小学5年生の時から、地元の岡山県倉敷市にある児童合唱団に所属していました。中学卒業後、声楽を学ぶため、声楽クラスがある県立城東高校(岡山市)に進学しました。音楽の他にも理数クラスなど三つの専門クラスがあり、特定の分野に強い興味や関心を持つ生徒が多い学校でした。互いの個性を尊重しあう校風は、私を積極的にさせました。音楽クラスでは、当時流行していた歌などを歌うコンサートを、昼休みに校舎の中庭で定期的に開いていました。その企画を私は率先して行い、様々な歌を歌いました。また、部活動ではダンス部に所属し、ヒップホップや創作ダンスに取り組みました。「次はなにをしよう」と頭の中は、いつも創作のことでいっぱいでした。2年生秋の文化祭では、米国の青春小説を原作にしたミュージカルの脚本を書き、演出をし、主役も務めました。練習などで約30人の同級生たちをまとめられず、苦労していたとき、音楽クラス担当の森野啓司先生(54)が、「セリフを読むだけではなく、登場人物に感情移入しないとだめだ」などと私に代わって助言してくれました。森野先生の支援で、私の言葉では説明が足りなかった演技のポイントなどを、同級生たちはつかむことができました。皆が一体となり、上演も無事、成功しました。高校時代の一番楽しい思い出になりました。大学でも声楽を学びましたが、一度は歌の道に進むのをあきらめかけました。就職活動をして百貨店から内定をもらっていた時、海上自衛隊がボーカリストを募集していることを知り、応募し、合格することができました。まったく縁のなかった自衛隊に飛び込めたのも、自分の殻を破ってきた経験があったからだと思います。好きなことに熱中している私を認め、励ましてくれた先生や同級生たちは、私にとってかけがえのない宝です。(伊藤文彦)

 

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