日本大学藝術学部剛柔流空手道部OB会掲示板NUGK OPINIONS

NUGK OPINIONS

~ 空手という武道を通して何を最終目的とするか ~

田中 元和Genna Tanaka

≪ 1.「目的」と「本質」 ≫


1.冒頭で述べた空手発祥・沖縄唐手の「目的」と「本質」

  中国(唐)から伝来の沖縄唐手は、現代空手の源泉であり、その「目的」は、身に武器を持たずに手(ティー)で相手(敵)と戦う必殺技を編み出し実践することにあった。

  その「本質」は、主に貫手や開拳で相手の目や喉や腹を突き刺し切り裂くことや、足刀(足底踵)蹴りによる膝関節砕きと金的への急所蹴りにあった。
  具体的には、貫手や開拳で目を突き、手刀で目やのど元を切り裂き、その手刀返しで更に目や喉元を切り裂き、握拳で腹部水月に当て身をして打ち抜き、更に貫手か開拳かで喉元を突き上げて裏拳による顔面鼻打ち、猿臂(肘)打ち等で顔面や顎を強打して相手の上半身へとどめを刺すこと。更には、足刀(足底踵)による膝蹴りで膝関節を打ち砕き、股間が空いたところに下から金的を蹴り上げて相手の下半身へのとどめを刺すこと。相手が倒れたところには足刀(足底踵)を腹部や下腹部に打ち込みして最終的なとどめを刺すことにあった。
このように、沖縄空手の「本質」は刀同様の殺傷力を持つことを「目的」としていたということが伺い知れる。

...この刀同様の殺傷力を持つことを「目的」とした沖縄唐手は、唐(中国)の手(ティー)を伝承して、その字をとって「唐手」として発祥した。
  後に、「唐手」が手(ティー)による「開掌(貫手)」での実戦はあまりに殺傷力があることから、組手稽古ではこれを実戦形式で行うことが出来ないとして、家元が制定した実戦を想定しての約束組手を以って、開手による『型』を作り、今日の現代空手へと武術口頭伝承させてきた。したがって、現在の形(型)の「開手型」という名称は、この「開掌(貫手)」が起源となっている。
※現在は「型」を「形」と称している。

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