日本大学藝術学部剛柔流空手道部OB会掲示板NUGK OPINIONS

NUGK OPINIONS

~ 空手という武道を通して何を最終目的とするか ~

田中 元和Genna Tanaka

≪ 組手に必要な要素 ≫

4.の段階


 4.の段階の具体的な練習方法

  突き蹴りのコンビネーション。牽制技と決め技の連続による攻撃の展開。
  (右利き用として)

...ボクシングが左フックからアッパーカットの2段攻撃で、相手の態勢を崩して右からのストレートかアッパーカットかフックを打ち込むというコンビネーションで攻めるように、また、キックボクシングが右足でのローキックからミドルキックのコンビネーションで相手の態勢を起こして止めて、左右のパンチによるコンビネーションで攻めるように、空手でも同じようにコンビネーション攻撃をするパターンをいくつか持つことによって幅広い攻撃が可能となる。完成したら、それを繰り返し徹底的に練習することで連続技による攻めのパターンとして確立することだ。

  一つの例として、私が取り組んでいる固定化した攻めのパターンの一つは、左の突きの連続上段攻撃(ジャブ)で前進しながら、相手に上の攻撃を意識させながら前進反動による体重移動を利用して相手の膝へ強烈に右足下段回し蹴り(ローキック)を打ち込み、相手の動きを止めてから左足による金的蹴りで牽制を掛けて、更に一歩進んで左足を軸にして右に回転して右の後ろ蹴りを相手の溝落ち(水月)か、下腹部にストレートで踵から打ち込むか、あるいは相手の動きによって右の正拳突きを相手の顔面に打ち込むという3段階にしている。

...このように、自分の体格や柔軟性を利用して回転による遠心力で後ろ蹴りをぶち込むか、右の正拳上段突きを敢行するか、相手の後退する状況を見て、瞬時にいずれかのパターンに切り替えて敢行している。

  突き蹴りによるコンビネーションを以下の段階を踏んで確立する。
1)一人で練習の時にはタイミングの取り方を研究しながら行うこと。
……(野球の素振りに相当)

2)対人相手で攻撃をやる時には、柔法的にゆっくり繰り返し“的”を定めて突きや蹴り込みを練習すること。相手無しの場合にはサンドバッグに打ち込み練習すること。
……(野球のトスバッティングに相当)

3)対人相手で防御をやる時には、柔法的にゆっくりと相手のいずれから来るか分からない想定外の突きや蹴りに対応する防御や攻撃の練習をすること。
……(野球でのノック打ち処理に相当)

4)1)と2)をお互いに交代しながら練習して、仕上げとして柔法によるゆっくりとした組手を行い、攻守攻防の練習をすること。
……(野球での身内チームによるテストマッチ紅白戦に相当)

5)仕上げとして、ときどき真剣に剛法(ノーマルな動き)による真剣勝負を行い、どこまで今までの練習してきた成果が通用するかを試してみること。 
……(野球での公式戦に相当)


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