日本大学藝術学部剛柔流空手道部OB会掲示板NUGK OPINIONS

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~ 空手という武道を通して何を最終目的とするか ~

田中元和

田中 元和
たなか げんな


≪ はじめに ≫


...先ずは、空手発祥の沖縄唐手の「目的」と「本質」を理解して、空手という武道を通して自らが何を「目標」とし、何を「目的」とするか。そして、どのようにして自らの「結果」を出すかにある。

  「結果」を出すためには「目標」と「目的」の違いを明確に理解する必要がある。

  「目標」とは、そこに行き着くように、そこから外れないように目印とするもの。

  「目的」とは、実現しようとして目指す事柄、行動の狙い。

  「目標」と「目的」については混同しないことだ。目標を達成しても目的が叶えられないケースがあるし、目的を叶えるための目標の設定を誤ってしまうと活動の意味が無くなってしまうことがあるからだ。
したがって、空手という武道を始めたことで、この「目標」と「目的」をしっかりと定めて、自らの「結果」を出すことにある。


『目標』と『目的』の違い

1.:目標は目的のためにある。
……目標とは、目的を達成するためのステップ。

2.:目標は具体的、目的は抽象的。
……目標は具体的にクリアできる手段や方法が分るものでなければ、目的
……までの道筋が立たないということになる。

3.:目標は見えるもの、目的は見たいもの。
……目標は目的に向かうための道しるべで、その目標に向かってどう行動
……したらいのかが分らなければならない。

4.:目標は過程、目的は行き先。
……「目標」とは「目的」に至ための道筋であり、過程である。
……目的に向かうためにクリアする課題が目標ということになる。

5.:目標は複数、目的はひとつ。
……「目的」に向かい「目標」を定めて進んでいく中では、クリアする目標は
……ひとつとは限らない

6.:目標は諦めても、目的は諦めない。
……ひとつの目標を達成しても目的に近づかない場合もある。
……大きな目標に向かい挫折したとしても目的を見失わないこと。

7.:目的は目標の先にある。
……「目標」は「目的」に至るための過程なので、目標をクリアしなければ
……目的には近づくことはできない。


現役諸君は師範や監督から空手を習い、その後において自分はどういう「目標」を設定して「目的」を叶えるか。そして、自分なりの「結果」をどう出すかにあります。
ここでは、その方法論を述べて諸君への助言となることを希望しています。
あくまでも、空手道部現役の方針は監督の指示の基に計画立案されるものであるからして、私の提言は一つの参考資料として捉えて頂きたい。私個人の空手経験からくる生き様として捉えて頂き、私がOBとして監督以外で現役に何が出来るかという微力な協力の一環として記述してみました。

現役諸君の「目標」と「目的」の設定は個々人によって違うはずだから、空手を習う初期においては師範や監督によって、全員一律に『稽古』で鍛えられたとしても、その先においての個々人が設定した「目標」と「目的」は一律に引き続き稽古でもって固定されるものではなくて、個々人それぞれが持つ「目的」に向かった「目標」の『練習』を『稽古』より優先されるべきものだということを、先ずは自覚してもらいたいことにあります。

人によっては、
①、剛柔流の型を誰よりもうまく演ずることを「目標」として、型の部で剛柔流の全国大会や世界選手権大会で優勝することでもって空手達成の「目的」とすることもあるでしょう。また、

➁、剛柔流の教範を全てクリアすることを「目標」として、剛柔流空手道に最も精通する師範やコーチの道を「目的」とすることもあるでしょう。
また、

③自身の能力からして組手で強くなることを「目標」にして、剛柔流全国大会もしくは世界選手権大会の組手部門で優勝することを「目的」とすることもあるでしょう。

人それぞれが「目標」と「目的」が定まった時点においては、『稽古』による一律の団体行動から個々人の目的達成のためへの『練習』に切り替えることによって、これからの現役空手道部の方針も変わってくるのでではないか、というのが私の意見です。

例として、高い目標は、
①の例では、2012年11月フランスのパリで行われた第21回世界空手道選手権大会、女子個人「形の部」で見事優勝を果たした宇佐美里香など。

➁の例では、剛柔流支部を創設して師範やコーチ格になることなど。

③の例では、全日本空手道選手権大会男子の部組手競技で連続優勝の荒賀龍太郎など。


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